コンクール決勝開催にあたり


審査員長

エフエムまつもと局長

宮嶋 孝好

MIYAJIMA TAKAYOSHI 

 この度、2020エフエムまつもと高校生アナウンスコンクールを開催し、初回にも関わらず全国から応募がありとてもありがたく感じております。そして高校生のみなさんの関心の高さを感じております。今回は「ニュース部門」と「朗読部門」の二部門に49名の参加を頂き、決勝審査に進んだ各10名のみなさんにつきましては順位が付きましたものの、どの発表も僅差だったことを申し上げておきます。

 その中でも、高校生の発表としてレベルの高いものもあり、将来、専業・プロの道へ進まれましたらありがたく感じます。高校生のみなさんの将来のご活躍を楽しみにしております。改めて、参加いただいたみなさん、お疲れさまでした。ありがとうございました。

決勝進出者 発表音源

ホームページ上に掲載されている発表者の音源を許可なく転載・転用することは禁止です。


ニュース部門

最優秀賞

長野県岡谷南高等学校 3年

中川 心

 

【審査員コメント】

発声・発音、声質も良い。とても分かりやすく、優しい口調。

読みのスピード、テンポなどもう少し工夫できると思います。

現在では下火になりつつあるモータースポーツの今が伝わるニュースでした。切り口として、身近な高校生の「傷」に着目した点、想像を掻き立てられ、とてもラジオ的でした。

 

 


優秀賞

長野県松本蟻ケ崎高等学校 3年

百瀬 優芽

  

【審査員コメント】

自然なトーンでとても聞きやすく、落ち着いた言葉遣いが好感を持てる。

テンポや表現も良いです。将来、アナウンス職を目指してほしい人材。

コロナ禍の学校の文化祭の現状を伝える、まっすぐなニュースでした。

あと一歩、最優秀に届かなかったのは「聞かせる工夫」。リスナーを意識した言葉選び、文章作りを目指してほしいです。

 

 


長野県岡谷南高等学校 2年

五味 輝

  

【審査員コメント】

声質の良さが光る。言葉遣いが丁寧で良いが、発音や平坦な口調になってしまうイントネーションは練習が必要です。今後さらに上を目指せます。 

身近なホームルームに注目したニュースが大人にとって新鮮。

面白い内容なので今後も深めると共に、内容を表現する力を磨いてください。

 

 


長野県岡谷南高等学校 3年

古田 皓祐

  

【審査員コメント】

ハッキリした口調で明るいイメージで伝わる声。読み練習を重ねれば、ニュースに沿った感情表現が上がると思います。現地リポートや食レポなどを聞いてみたい。発音練習を!

「笑顔を届けるお弁当」というキャッチから、地元の長く続く取り組みを丁寧に伝えた点が良い。コロナ禍が終わり、活動が再開されたら私たちもぜひ取材したいと感じました。ニュース性では一番でした。

 

 


優良賞

三重県立神戸高等学校 1年

橋本 小春

 

長野県岡谷南高等学校 1年

両角 隆寿

 

愛媛県立松山南高等学校 2年

髙田 彩夏

 


長野県岡谷南高等学校 2年

滝上 裕史

 

長野県岡谷南高等学校 1年

池田 太陽

 

長野県 エクセラン高等学校 1年

深澤 曖菜

 



朗読部門

最優秀賞

愛媛県立松山南高等学校 2年

川本 理寿

  

【審査員コメント】

落ち着いた声質、わかりやすい口調で話にすっと入れる。 

無音の使い方、間の取り方が上手い。地の文の表現も良いので、さらに長い話を聞いてみたいです。ニュースも聞いてみたくなる声。

セリフをもう一工夫できると思います。音の高低を使ってみましょう。 

抽出した箇所と自身の声質がよく合っています。

 

 


優秀賞

長野県岡谷南高等学校 2年

小池 克哉

  

【審査員コメント】

優しいトーンで聞きやすい。息遣いなど息の使い方が上手です。

抑揚・テンポもあり飽きない朗読。ニュースも聞いてみたいです。

低い音が苦しそうなので、発声練習を頑張りましょう。

今回は情景を描写した場面を抽出していましたが、人の心情が移り変わるようなシーンはどのように読むのか、聞いてみたくなりました。

 

 


長野県 エクセラン高等学校 1年

細沢 凛太

  

【審査員コメント】

とても良い声質。スピードテンポが良く聞きやすい。

淡々と話すことで、無駄な力が入らずに文字が耳に入ってくる。

一方で、今後表現力を磨き単調にならない朗読を意識して欲しい。

落ち着いた声質はとても好感を持てますが、まだまだ発声不足なので文末まで話し切れる声量を付けましょう。

今後に期待が持てる朗読でした。

 

 


兵庫県立伊丹北高等学校 2年

中村 佑香

  

【審査員コメント】

分かりやすい優しい口調で、表現力も良いです。

声質に埋もれずに、うまく声を使えています。

抽出した箇所も物語の良い場面を選んでいます。

じっくり聞かせるタイプの朗読で、丁寧なのですがテンポも大切。

セリフの表現をもう少し作品の世界観に合わせると、より違った表現になってくると思います。

 

 


優良賞

長野県 松本国際高等学校 2年

松澤 楓

 

長野県 エクセラン高等学校 2年

有賀 うてな

 

北海道北広島高等学校 3年

清水 一桃

 


長野県 松本国際高等学校 2年

竹村 幸佳

 

長野県 松本国際高等学校 3年

山本 智也

 

長野県長野俊英高等学校 2年

宮澤 汰佳

 


特別講評・TCアルプ 下地尚子


松本市を拠点に活動する劇団・TCアルプ所属の下地尚子先生から特別審査講評を頂きました。高校時代には自身も放送部としてアナウンス部門で神奈川県代表経験もあり、現在は現役舞台人として活躍する下地先生のアドバイスをぜひ参考にしてくださいね!

Photo by 山田 毅

Photo by 串田 明緒

審査員

下地 尚子 SHIMOJI NAOKO

長野県松本市を拠点に活動する劇団・TCアルプ所属の俳優。

2011年、日本大学芸術学部演劇学科に在学中、まつもと市民芸術館との共同制作舞台『ヨサブロゥ』に出演。2012年『TCアルプ』に入団。

主な出演作に、『空中キャバレー2017』『白い病気』(串田和美演出)、『或いは、テネシーワルツ』(加藤直演出)、『人間ども集まれ!』(木内宏昌演出)『ユビュ王』(小川絵梨子)『土砂降りボードビル』(TCアルプ演出)等。2021年2月『真冬のバーレスク ボードビル3部作』

FMまつもと『Hata 79.1』ではパーソナリティを務める。


ニュース部門 講評


長野県

中川 心

出だしのインパクトは最高でした。声出して笑いました。「何してるんだこの子は!?」と期待してしまうスタートです。インパクトが強すぎてモトクロスの内容が一瞬入りづらいなとは思いましたが、アナウンスがエンターテイメントだと捉えると、とても好印象。取材対象も「他人の心配も他所にタフ」というイメージが生まれるし、「頑張って欲しいなぁ」と応援したくなる内容に仕上がっています。しかもそれを読み手が淡々と伝えてくれるので、いろんなギャップがあって面白い作品だと思いました。



長野県

百瀬 優芽

柔らかい優しい声の持ち主ですね。詩とか読んだらとても似合いそう。コロナ禍における文化祭の時間や内容を、校内の生徒じゃなくても想像ができる内容でした。(せっかくのイベントなのに大変だったと思います。みなさん頑張りましたね……!)不安と達成感と、いろんなことを想像できる内容です。文末で音程を落としすぎてしまうと、悲しげな印象になりすぎてしまいます。特に最後の終わらせ方は、どういうイメージにしたいか、ということを考えてみてもいいんじゃないかなと思いました。言葉を言い切る肺活量の問題もあるかもしれません。「全校」のアクセントがあれ?と思いました。何度かでてくる言葉なので、「善行」「前項」と別の言葉に聞こえてしまうのがもったいないです。



長野県

五味 輝

聞きやすい安定した声ですね。滑舌が甘い箇所がいくつかあったのがもったいないです。先生の人柄やクラスの空気感が伝わる内容で、取材がよくされているなぁと思いました。アナウンサー本人がそのクラスの一員なのか、他のクラスにいる立場として羨ましいのか、どっちだろうなーと思いました。「しているんです」とちょっとフランクな言葉遣いが出てきたのは、文体の変化が起こり「んん?」と惹きつける力が生まれるので、面白いなと思いました。「出席率100%」という事実の先にもう一言何かあるのかな、と期待したところで終わってしまったので、クラスの空気感が感じられただけに少し肩透かしの印象。ちょっとやりすぎかもしれないけど、「守屋先生が担任のクラスが羨ましいですね」なんてオチに近い主観のコメントがあるくらいでも、校内放送(読み手と聞き手の関係が成立している場面)においては、効果があるかもしれません。



長野県

古田 皓祐

ハキハキとした声が良いですね。人の温かみを感じる内容に合った声質だなと思います。滑舌がもうちょっと良くなると、その声質の魅力がより聴き心地の良いものになると思います。見出し、取材対象の紹介、お弁当の内容、その反響……と展開が変わっていきますが、どこに間をつくるか。あるいは、その間の長さを見直すと内容のまとまりがより伝わるようになるのではないかと思います。

最後の「楽しみにしています」の終わり方が惜しいです。そこまで音程を落とす必要があるかなぁという感じがします。希望を持ちたい言葉の終わり方なので、文字だけではない、言葉の意味やイメージを表現できるようになると良いのではないかと思います。



三重県

橋本 小春

ハキハキとした明るい声ですね。元気!な声の印象が強すぎて、内容が聞き手に入ってきづらい感じがします。もしかしたら、「この音で読む!」という先入観というか、こだわり、イメージが強いのかもしれません。話者が力んでいる、という印象さえ持たれてしまうので、いろんな音で読むことにチャレンジしてみてもいいと思います。なにせ、声だけで情報を伝えなければならない表現分野なので、どういう印象のニュースにしたいかというイメージを持つことは、とても重要です。例えばこの声質が野外でのアナウンスであったり、喋る内容や環境によっては活かされることもあると思います。「この人の話し方好きだな」という憧れを作ってみてもいいと思います。声量もあり、いいスピードで読めていると思いますので、いろんな喋り方や表現が使い分けられるようになると、いろんな場面で役にたつと思います。



長野県

両角 隆寿

まっすぐ張りのある、通る声質が魅力ですね。その分、滑舌の甘さが気になります。馬場くんの名前や、剣道らしい「素振り」「試合」などの言葉がフニャッとして聞こえてしまうのは、内容としてもったいないです。読むスピードが少し早いかな、と感じるのは、緩急をつける息のコントロールがまだ整っていないからかもしれません。肺活量が増えて息を吐く調整が上手くなると、ハキハキとした声質がより活かされるようになると思います。試合が10月10日に迫っている、という説明で終わってしまうのではなく、「期待したい」「応援したい」という聞き手の代弁、話者としての一言があるとより良いと思います。



愛媛県

髙田 彩夏

声は落ち着いていて素敵です。一方、呼吸の浅さを感じます。深い呼吸を意識してみてください。肺活量が安定すると、息の漏れが少なくなり滑舌も安定すると思います。また、いろんな音程が使えるようになると思うので、ぜひトライしてみてください。

ミュージアム建設とわたなべひろこさん、二つの内容があるので、読むスピードを変化させることで文章のまとまりや、内容の変化を表現できると思います。どう展開をさせたいか、スピードや間尺を使った表現ができるようになると、もっと内容を理解してもらえると思います。そのためにも、発声・息の出し方の調整ができるようになると強みになりますよ。



長野県

滝上 裕史

プロにアドバイスをもらえるという経験が良いですね。そして元気のある声ですね。声の良さを生かせるよう、文章のまとまり、語尾までそのエネルギーの分配ができるようになると、もっといろんな表現ができると思います。肺活量と間の使い方を工夫してみてください。

一番気になったのは、「よかったですね!」の一言の使い方でしょうか。自身の視点が入っているのは良いのですが、この一言が他人事な印象に聞こえてしまいます。「前向きになれたようです」の後の間を短くすると、構成としてもまとまりのある聞こえ方になると思います。(この言葉のチョイスが淡白すぎる、という問題もありますが……。)例えば、アドバイスをもらった後に岬希くんにどういう変化が起こったか、というところまで踏み込んだ内容にできたら「出来事」だけにとどまらない作品になると思いました。



長野県

池田 太陽

元演劇部なので、この内容はとても気になりました。廃部間近の状態になった演劇部に2人が入部したきっかけがわかると、今の取り組みに対して聞き手がもっと想像できるようになると思います。もしかしたら、卒業していった人たちの公演を観てたのかな?とか、もともとお芝居が好きだったのかな?とか。芝居をやる人の思い入れがもっと聞きたい!

低い声質が聞き取りやすくて良いですが、鼻濁音が強すぎる印象です。子音が弱い部分もいくつか。必要のない箇所にも鼻にかかった声になってしまっていて言葉が不明瞭になり、もったいないと感じました。声質に頼りきりにならないよう、呼吸を深くできるよう意識をしてみると良いと思います。



長野県

深澤 曖菜

澄んだ声が可愛らしいです。けれど、低い声質も使えるイメージ。肺活量と滑舌の明瞭さを鍛えると、もっともっといろんなことが声で表現できるようになるので、読むことがより楽しくなると思います。コメントから始まるインパクトが強い内容ですが、絵本作家の方の紹介、というのがもう少し早くわかるといいんじゃないかなと思います。「筆」と聞いて、絵なのか?書道なのか?と余計なことを想像させてしまうと、そのあとの内容がスムーズに入ってきづらくなってしまいます。インパクト・展開重視の内容なら話は別ですが、今回は野村さんの生き方こそが内容として重要だと思うので、出だしにインパクトが必要かどうかは検討してもいい材料じゃないかと思います。


朗読部門 講評


愛媛県

川本 理寿

ニュアンスをつけすぎない台詞の読みがとても綺麗で聞きやすかったです。「僕たちしっかりやろうねえ」の息遣いが、そのあとの文章にもつながる表現になっていて素敵です。人物にニュアンスをつけすぎないので、聞き手に想像する余地がある。ただ綺麗な読みの分、あっさりしすぎるようにも聞こえかねない。2人の会話の間に流れている空気感、温度、湿度、そういうイメージがもっと濃く出ると、朗読表現として面白くなりそうだという気がしました。時間があと10秒近く余裕がありそうなので、例えばもっとたっぷり時間を使って表現する箇所、間の長さがいろいろあってもいいように思います。



長野県

小池 克哉

まっすぐでクリアな声質がとても聞き取りやすいです。しかし、普段聞かないような情景から始まる物語なので、もっとゆっくりスタートを切っても良いのではないかと思います。おや?と思う面白い言葉もたくさんある箇所です。「水晶細工のように見える銀杏の木」とか、「夢のように言っている」とか、一つ一つの宝石の名称とか。日常的ではない事柄なので、想像する時間を与えてほしい。「銀河鉄道の夜」の内容を知らない人にとってどういうシーンなのか、ということを想定した上で、速度の研究ができるといいと思います。スピードを調整するための肺活量も、同時に鍛える必要が出てくると思います。面白い景色が広がる箇所なのに、淡々と読み進めてしまっている、というのが勿体無いなと感じました。



長野県

細沢 凛太

ハキハキと聞き取りやすい声です。静と動をたくさん表現できる箇所を抜粋しているのに、とてもあっさり読んでしまっているのが勿体無い。汽車が停車場に止まる、車内が静かになる、静かな中に聞こえてきた時計の針の音、車内の空気、彼方から聞こえる旋律の遠さ、人々の揺れ。そういうことの一つ一つが想像しにくい。姉の言葉にニュアンスがつけられているのは良いと思いますが、それができるなら他の情景も同じスピードと同じエネルギーにしてしまうのではなく、もっといろんな声質を使えると思います。ジョバンニの()で分けられている言葉も、「」じゃないことがもっと伝わると面白いと思います。もっと想像力を豊かに、内に持ったイメージを外に出せるようにしましょう。



兵庫県

中村 佑香

ゆっくり読み上げているテンポ感、響きを持つ声がとても聞き取りやすいです。文と台詞のバランスがとても好印象でした。文字を音で立体的にしている、という感じ。落ち着いていて良いですね。2分間いっぱいに使っていましたが、緩急のつけ方によっては時間内でもっとドラマチックにできるような気がします。特に、会話以外の地の文。後半に連れてテンポが単調に聞こえてくるので、グルーブ感を出したり、力配分の差し引きができるようになると、面白くなると思います。今回は録音での大会の分、表現はいろいろトライできたのではないでしょうか。また、綺麗な読みの分、「ひととこ」「しんしんと」「にわかに」のアクセントが気になってしまいました。



長野県

松澤 楓

聞きとりやすい声。一人称の目線として、静かに回顧している印象。声の印象はとても良いです。滑舌が甘い箇所がいくつもあり、惜しいです。他の方も同じ抜粋箇所で読んでいるけれど、共通して言えることとすれば、この抜粋箇所は、風の流れや景色の情景の表現がとても面白い箇所だと私は思っています。文章を時間内に収めることよりも、もっと時間をたっぷり使い表現の豊かさを試せる箇所のような気がするのです。例えばスラスラと読んで1分ちょっとで収まる内容を、2分たっぷり使って表現できたらどうなるか。速度感もいろいろあると思いますが、空白の時間や無音の時間も表現になりうると思います。音楽で言えば、音がなっている時ばかりではなく休符も一つの表現であるように。声のする時間、音のしない時間。それを使い分けることが、朗読の表現でできたらかっこいいだろうなぁ、なんて想像しながら聞いていました。



長野県

有賀 うてな

スピードやテンポ感は、とてもドラマチックに仕上がっていて聞きやすいです。文章の内容をどう伝えるか、ということの研究をされていらっしゃる印象です。ただし、響きと張りのある声を押し出してる感が印象に残ります。内容よりもその声の方が気になるなぁと思いました。「こういう声で読まなければ」という先入観が強いようにも思えてしまいます。もう少しご自身の持っている落ち着いた声が聞ける箇所があっても素敵なのかなと思います。ふと聞こえた息遣いやぽろっと溢れる声なんかも、全部表現になると思います。力を抜いて、自在にコントロールできる方が楽しくなると思います。例えば、今回のコンクールは2分という制限の中での表現ですが、これが20分朗読しなければならない時に、どういう声なら聞き心地よく、飽きずに聞いてもらえるか、ということを考えてみてもいいと思います。2分という制限でも、時間の使い方、速度をもっとたくさん探ってみてください。自分のルールに縛られないで、もっと柔軟に、自由に。



北海道

清水 一桃

「」の会話と地の文の使い分けができるようになると、表現の幅が広がると思います。というのも、原稿が手元にない状態で聞くと「台詞から始まったのかな?」と感じられるくらいに、文の読み方が歌っている印象だったからです。聞き手が想像したい景色よりも強いニュアンスが発せられているので、情景が想像しにくくなってしまいます。確かに、りんどうの花が次々に見える!という情景にニュアンスを込めたくなる気分はわかりますが。どちらかというと2人の少年の会話を使う方が有効かなと思います。汽車から見えた一瞬一瞬の景色や、「飛び降りてとってこようか」と興奮している様子にもう少し具体的なイメージやスピード感があると良いなと思います。そのあとに広がる景色がどんなものだったかというのは、少年2人がしっかり想像できた先に見えるものではないでしょうか。



長野県

竹村 幸佳

まるで一人芝居を聞いているようでした。台詞の表現を頑張っていますね。課題として、「あなたやこの本を全く知らない人がどう聞いてくれるか?」と想像してみることがとても大事だと思います。作品の一部を切り抜いて、登場人物の説明はせず複数人を演じ分ける。さらには、人物をわかってもらう。相当表現力をつけないとできないことなので、難しい箇所を選んだなぁという印象です。速度も速いので「今誰が喋ってるんだろう?」と疑問を持ってしまう。自分の持っている登場人物のイメージが、他人にも伝わるものになっているかな?ということを想像してみてください。この録音を学校の友達などに聞いてもらって「今何人出てきたかわかる?」と聞いてみてもいいと思います。表現は、気分も心情も大事ですけれど、客観視することもとても大事です。また、地の文をなるべく歌わないよう、台詞と違う距離感、俯瞰した目線が生まれると良いでしょう。全てが台詞のように聞こえてしまうと、物語がわかりにくくなってしまいます。



長野県

山本 智也

聞きやすい声です。一人称で思い出を淡々と語っている印象が魅力です。しかし、呼吸が浅く、息が続かないからか余計な句読点を足してしまっているように聞こえます。ひとつの文は一呼吸で言えるくらいに、しっかり肺活量で表現を支えられるようになるといいですね。文中の「、」や「。」や段落を意識して語る方が、内容が伝わりやすいと思います。男の思考と見える景色。時間の流れや木漏れ日のきらめきや風の心地など、想像してもらったら面白い言葉がたくさんある文章です。言葉の速度だけでも、もっといろいろ表現できると思います。そのためにも、本に対してのイメージと、表現するための肺活量をぜひ鍛えてみてください。



長野県

宮澤 汰佳

お母さんの言葉に、もっとイメージが沸きそうです。せっかく情景が伝わりそうなのに速度が速くて惜しいなと思います。日常を切り取ったようなひと場面。特に台詞以外の文は、聞き手がいろんな想像したいスピードよりも言葉が速く通り過ぎてしまう印象です。会話の間尺は、もう少し使っても良いかなと思います。また、地の文の音程の高低にしゃくりのような癖が感じられました。一文を一呼吸で読めるような肺活量があると、間を使ったりしても途切れたように聞こえなくなると思います。もっとたっぷり読み上げた上で、もっとご自身の中に見えたイメージを言葉に乗せることができたら素敵です。私なら、急いで帰ってきたジョバンニの息遣い、野菜の色味の鮮やかさ、家の外壁の手触り、日覆いがかかったの家の明るさや湿度、患っているお母さんの体の重さ……などを読みながら想像します。自分の中のイメージが鮮明であればあるだけ、言葉の表現ももっと豊かになると思います。